Voicyレビュー2026: 料金と対応OS、日本語での強み
VoicyはMac、Windows、Linux、iPhone、Android、それにChrome拡張まで、ひとつのアカウントで使える音声入力アプリです。配布元はusevoicy.comです。
私たちはMac専用のKanaを作っています。以下のVoicyについての記述は、すべてVoicy自身のサイトと料金ページに書かれている内容です。
先に結論を書きます。 複数のOSをまたいで文字を打つ人、あるいはスマートフォンやブラウザでも同じ音声入力を使いたい人には、Voicyが合います。年払いで月$8.49というのは、その守備範囲に対する値段です。
まず名前の確認から
Voicyという名前は複数のサービスで使われていて、互いに関係がありません。日本で知られている音声配信サービスのVoicyは別の会社のものです。voicy.networkは効果音とサウンドボードのサイトで、これも別です。この記事が扱う音声入力アプリはusevoicy.comのほうです。検索すると三者が混ざって出てくるので、レビューを読むときはURLを見てください。
Voicyは何をするアプリか
OSレベルの音声入力です。録音を始めて、話して、確定すると、直前まで入力していた欄に文字が入ります。公式サイトのスクリーンショットはiPhoneのGmailとAndroidのメッセージアプリで、想定されている使い方がそのまま出ています。

出典: Voicy (usevoicy.com)
対応環境の広さはこの分野で一番です。デスクトップはWindows、Mac、Linuxで、LinuxはUbuntuとDebianのパッケージ、Fedora向けビルド、AppImageが用意されています。モバイルはiOSとAndroid。加えてChrome拡張があります。1契約で個人の端末は台数無制限です。
対応言語は50以上、精度は99%以上とVoicyは書いています。どちらもVoicy自身の数字です。タイピングの3倍の速さ、メール作成は最大4倍という記述もありますが、これも同社の主張であって、こちらで測ったものではありません。
句読点を声に出さなくてよい
Voicyが説明に力を入れている機能のひとつが自動句読点です。「まる」「てん」と言わなくても、話の切れ目から判断して句読点を入れます。

出典: Voicy (usevoicy.com)
Kanaも同じことをするので、ここは2つの製品の差にはなりません。それでも書いておく理由は、古い音声入力ソフトは今でも句読点を声で指定させるものが多く、そこから移ってくると最初に気づく違いだからです。
2026年の料金
| プラン | 価格 |
|---|---|
| 無料トライアル | 録音30分、クレジットカード不要 |
| Pro (年払い) | 月$8.49、20%引きとして表示 |
| 買い切り | $260 |
| Teams | 1人あたり月$6.79、3人から |
Proと買い切りはどちらも録音時間が無制限で、デスクトップとモバイルの台数制限もありません。
料金の設計で評価できる点が2つあります。ひとつは、障害のある人向けの20%割引を証明書なしで出していること。学生割引も20%です。もうひとつは、価格を総コストの20%以上は上回らせないという方針を公開していることです。どちらもこの分野では珍しく、証明を求めない割引という点ではKanaより良い答えを出しています。
無料枠は録音30分なので、無料プランというよりお試しです。それを過ぎると音声入力は有料になります。
日本語検索でVoicyが取っている位置
「mac 音声入力」で検索したとき、上位7件に入っている製品ページはVoicyだけです。ほかは設定方法や不具合の直し方を書いた記事です。早い時期に日本語へ対応してその枠を取った結果で、Kanaはそこにいません。
これは順位だけの話ではありません。Macの音声入力を探している日本語話者が、最初に見つけるのがVoicyだということです。Kanaの日本語対応は作りが違い、50言語をひとつのモデルで扱うのではなく、日本語だけAppleのSpeechAnalyzerを使う別エンジンに回しています。ほかの25言語を担当するParakeetが日本語を扱わないからです。どちらの日本語が良いかはVoicyと比べていないので、ここでは何も主張しません。
VoicyとKanaを項目ごとに
| Voicy | Kana | |
|---|---|---|
| macOS | 対応 | 対応、Apple Siliconのみ |
| Windows、Linux、iOS、Android | 対応 | なし |
| ブラウザ拡張 | Chrome向けあり | なし |
| 1契約で使える端末 | 個人利用は無制限 | 書き換えライセンスでMac3台 |
| 対応言語 | 50以上 (同社の数え方) | 26 |
| 認識処理の場所 | 端末内とは書かれていない | 端末内 |
| 文字起こしのサーバー保存 | しないと明記 | サーバーを使わない |
| 自動句読点 | あり | あり |
| 固有名詞の登録 | 記載なし | あり |
| 障害者割引と学生割引 | それぞれ20% | なし |
| 音声入力の費用 | 月$8.49から、または$260 | 買い切り$9.99、回数制限なし |
| ファイル文字起こしの費用 | 録音時間を消費 | 本体に込み、SRT・VTT・Markdown |
プライバシーの行は正確に読む必要があります。Voicyのサイトが書いているのは、文字起こしは端末内にのみ保存し、データベースには残さないという内容です。認識処理そのものを端末内で行うとは書かれていません。6つの環境とブラウザ拡張をまたぐ製品である以上、その処理はどこか中央で動いていると考えるのが自然です。
Kanaの書き方は種類が違います。音声入力はネットワーク通信を一切行わず、それを文章ではなくCIで検査しています。アカウントがないので、保存する先そのものがありません。
VoicyのほうがKanaより優れている点
動く場所が圧倒的に多い。 Windows、Linux、iOS、Android、Chrome拡張まで1アカウントで、個人の端末は台数無制限です。KanaはApple SiliconのmacOSだけで、Intel Mac版もスマートフォン版も今後出ません。1日のうちに2つのOSを触るなら、この記事の残りは読まなくてかまいません。
対応言語がほぼ倍。 50以上に対してKanaは26です。Kanaの26は欧州系25言語と日本語なので、そこから外れる言語はVoicyが埋めていてKanaは埋めていません。
割引の設計が良い。 証明書を求めない20%の障害者割引、学生割引、価格の上限を公開する方針。Kanaにはどれもありません。音声入力は、障害者割引が販促以上の意味を持つ分野です。
日本語で先に見つけてもらえる。 「mac 音声入力」の上位にある唯一の製品ページはVoicyです。Kanaの日本語エンジンがどれだけ意図した設計でも、見つからなければ意味がありません。
チーム契約がある。 3人から1人あたり月$6.79。Kanaにはチーム向けプランも法人プランもSSOもありません。
Mac専用の買い切りアプリが勝つところ
Kanaの主張は範囲の狭いものです。音声入力は買い切り$9.99で、回数制限も期限もありません。録音時間の残りを見ながら話す必要がないということです。音声や動画ファイルの文字起こしも含まれ、SRT、VTT、Markdownで書き出せます。音声入力は通信を行わないので、Wi-Fiを切っていても動きます。
アプリ本体は2.4 MBの単一実行ファイルで、ログイン項目もヘルパープロセスもアカウントもなく、Dockにも出ません。ただし音声モデルは約540MBの別ダウンロードなので、導入に必要な容量が2.4 MBというわけではありません。
Voicyのサイトに記載がなくKanaにあるものが2つあります。固有名詞の登録と、アプリごとに書き換えの指示を変える設定です。後者があると、Slackのメッセージとメールが同じ調子になりません。
精度の比較はここには載せません。こちらで測っていないからです。99%はVoicyの数字で、それに並べる数字をKanaは公表していません。KanaとVoicyの比較ページも同じ方針で書いています。
Voicyが向いている人
- 複数のOSで文字を打っている
- ノートPC、スマートフォン、ブラウザで同じアカウントを使いたい
- Kanaが対応する欧州系25言語と日本語の外にある言語で話す
- 障害者割引または学生割引の対象になる
- 3人以上のチームで使いたい
- Linuxを使っていて、この分野の選択肢がほとんどない
Kanaが向いている人
- Apple SiliconのMacだけで作業している
- 音声入力に月$8.49を払わずに済ませたい
- 認識処理を自分のMacの中で完結させたい
- 音声や動画ファイルをよく文字起こしする
- 固有名詞の登録や、アプリごとの書き換えの切り替えを使いたい
金額の内訳は料金ページにあります。
よくある質問
Voicyの料金はいくらですか
年払いで月$8.49、買い切りは$260、チーム向けは3人から1人あたり月$6.79です。クレジットカード不要で録音30分の無料トライアルがあります。
Voicyは無料で使えますか
最初の録音30分だけです。それ以降は有料で、障害のある人向けと学生向けにそれぞれ20%の割引があります。
Voicyはオフラインで動きますか
端末内で認識するとはサイトに書かれていません。書かれているのは、文字起こしを端末にのみ保存し、データベースには残さないという保存の話です。通信は必要だと考えてください。
voicy.networkや音声配信のVoicyと同じ会社ですか
別です。voicy.networkは効果音とサウンドボードのサイト、日本の音声配信サービスのVoicyはまた別の会社です。この記事の音声入力アプリはusevoicy.comのものです。
どちらにするか迷っている場合は、KanaとVoicyの比較ページで項目ごとに並べています。Voicyのほうが優れている点も書いています。