Aqua Voice レビュー 2026: Avalonと料金
Aqua Voice は Mac、Windows、iPhone で動く音声入力アプリです。音声認識は Whisper 系ではなく、Aqua が自社で開発した Avalon というモデルを、自社サーバー上で走らせています。想定している利用者ははっきりしていて、一般的な音声認識モデルが取り違える語を日常的に口にする人です。関数名、略語、製品名、医療や法律の用語などが当てはまります。
私たちは Kana という、認識を Mac の中だけで行う音声入力アプリを作っています。つまりこれは競合が書いたレビューです。数字と仕様は Aqua 自身のサイトで確かめてください。
先に結論です。 技術的な語彙を大量に扱う人、Mac と Windows と iPhone を行き来する人、Intel Mac を使っている人には Aqua Voice のほうが合います。そのかわり月額がかかり、音声は Aqua のサーバーへ送られます。Avalon を使うための対価がそこです。Kana は Mac の中だけで処理し、音声入力そのものに料金はかからず、対応するのは Apple Silicon の Mac だけです。
Aqua Voice とは
修飾キーを押しながら話し、離すと最前面のアプリに文字が入ります。Aqua のサイトは Gmail、Google Docs、Slack、ChatGPT、Claude、VS Code、Cursor を含む「50+」のアプリで使えると書いています。
認識処理そのものは Aqua のクラウドで走ります。Avalon は Whisper のチェックポイントではなく Aqua 独自のモデルで、サイトには「97.3% accuracy on AISpeak」という表記と、発話が 1 分あたり 230 語、タイピングの 40 語に対して「5x faster than typing」という表記があります。いずれも Aqua が公表している数字で、私たちが計測したものではありません。
対応言語は 49 です。Kana は 26 で、英語ほか欧州系 24 言語を Parakeet で、日本語を Apple の SpeechAnalyzer を使う別エンジンで処理しています。
Avalon と、固有語の問題
ふつうの文章であれば、この分野のアプリはどれもそれなりに書き取ります。差が出るのは、ふつうではない語のほうです。
同僚の名字、社内のプロジェクト名、useSyncExternalStore のような識別子を一般的なモデルに向かって読み上げると、返ってくるのはもっともらしい別の単語です。Aqua の答えは二段構えで、そうした語彙に寄せて学習したモデルと、自分で埋める辞書を組み合わせます。

出典: Aqua Voice (aquavoice.com)
辞書の登録数はプランで決まります。無料の Starter は 5 件、Pro は 800 件です。Kana にも固有名詞の登録はあり、上限は公表していませんが、その背後に技術用語向けに学習したモデルがあるわけではありません。コードの識別子や業界用語については Aqua のほうがはっきり上で、そこは競っていません。
Aqua にはもうひとつ、文体のルールを書いておくと出力に反映される機能があります。

出典: Aqua Voice (aquavoice.com)
Kana の書き換えも、やっていることは近い場所にあります。指示は自分の言葉で書き、アプリごとに別の指示を割り当てられます。違うのは、Aqua が同じクラウド往復のなかで文体を当てるのに対して、Kana は書き換えを購入して有効にしたときだけ動く点です。
2026 年の料金
Aqua は 5 段階を公表しています。Starter は無料で、Aqua のエンジンで「1,000 free words」と辞書 5 件が使えます。Pro は月 $8。Max は月 $24 で、リアルタイムモードと「send it」のような音声コマンドが付きます。Team は 1 人あたり月 $12、Enterprise は個別見積もりです。
無料枠はプランというより試供品です。1,000 語はおよそ 4 分ぶんの発話なので、Pro にするかどうかは使い始めた日の午後に決めることになります。
Kana は買い切り $9.99 で、音声入力もファイルの文字起こしも回数無制限で、SRT、VTT、Markdown への書き出しが付き、期限はありません。有料になるのは AI による書き換えだけで、月 $4.90、年 $49、1 ライセンスで Mac 3 台まで使えます。料金はすべて料金ページに載せています。
Aqua Voice のほうが優れている点
技術用語。 Avalon はそのために作られていて、Kana のモデルはそうではありません。一日じゅう識別子や薬品名や判例を読み上げているなら、比べるべき点はここだけです。
Kana が動かない環境で動きます。 Mac、Windows、iPhone がひとつのアカウントで使え、Mac のダウンロードページには Intel 版があります。Kana は Apple Silicon 専用で、今後も変わりません。2019 年の MacBook Pro を使っているなら、その時点で候補から外れます。
言語数。 49 対 26 です。
話した内容が残ります。 Aqua には履歴があるので、先週の火曜に口述した文章を後から見に行けます。Kana は文字を挿入した時点で何も保持しません。意図してそうしていますが、記録がほしかった人にとっては足りていないということです。
チーム向けプランがあります。 1 人あたり月 $12、その上に Enterprise があります。Kana にはチームプランも管理画面もなく、情報システム部門に渡せるものが何もありません。
Kana との違い
| Aqua Voice | Kana | |
|---|---|---|
| 認識処理の場所 | Aqua のサーバー | あなたの Mac |
| ネットワークなしで動くか | 動きません | 動きます |
| 対応プラットフォーム | Mac、Windows、iPhone | Apple Silicon の Mac のみ |
| Intel Mac | 対応 | 非対応 |
| 言語数 | 49 | 26 |
| 技術用語向けのモデル | あり (Avalon) | なし |
| 固有名詞の登録 | あり (無料 5 件、Pro 800 件) | あり |
| 文字起こしの履歴 | あり | なし、何も残しません |
| 音声入力の費用 | 1,000 語まで無料、以降月 $8 | $9.99買い切り、無制限 |
| ファイル文字起こしと字幕 | 記載なし | 本体に込み、SRT と VTT |
| アカウント登録 | 必要 | 不要 |
判断を分けるのはたいてい 1 行目です。Aqua の Privacy Mode は「nothing is stored on our servers at all」と書いています。これは保存についての約束です。Kana はそもそもネットワーク通信を行わず、それを CI で検査しています。方針として書かれているか、動作として検査されているかという違いがあります。録音を端末の外に出してはいけないという社内規定があるなら、保存しないという約束では要件を満たせません。
そこから先はすべて同じ話です。アカウントもサインインも同期もなく、後から消すものもありません。アプリ本体は 2.4 MB の単一実行ファイルで Dock にも出ませんが、音声モデルは数百 MB の別ダウンロードなので、導入全体では 2.4 MB では済みません。
Aqua が勝っている行も含めて項目ごとに並べたものは、Kana と Aqua Voice の比較にあります。
こんな人には Aqua Voice
- コード、医療、法律の語彙を一日じゅう口述する
- Mac と Windows と iPhone を行き来している
- Intel Mac を使っている
- 話した内容を残して、後から探したい
- Kana の 26 言語に入っていない言語を使う
- 人数ぶん課金するチームプランが必要
こんな人には Kana
- 音声を端末の外に出せない
- 音声入力に月 $8 を払わずに済ませたい
- 飛行機や電車、回線の悪いホテルで口述する
- 音声ファイルを文字起こしして、SRT や VTT を追加料金なしで書き出したい
- 文字を入力するためにアカウントを作りたくない
よくある質問
Aqua Voice は無料で使えますか
無料の Starter があり、1,000 語と辞書 5 件まで使えます。それを超えると Pro が月 $8、Max が月 $24、Team が 1 人あたり月 $12、Enterprise は見積もりです。
Aqua Voice はオフラインで動きますか
動きません。Avalon は Aqua のサーバー上にあるため、音声入力には接続が要ります。Privacy Mode が決めているのは、届いた音声をその後どう扱うかであって、送るかどうかではありません。
技術用語の認識精度は高いですか
そこを狙って作られた製品です。Aqua は「97.3% accuracy on AISpeak」と書き、Pro では 800 件までの辞書を売っています。私たちは独自の検証をしていませんし、競合が出した数字を鵜呑みにする必要もありません。
Mac で端末内処理の代わりを探しています
Apple Silicon なら Kana が候補になります。音声入力もファイルの文字起こしも無制限、何も送信せず、アカウントも要りません。そのかわり Windows、iPhone、Intel Mac、言語数の大半、そして技術用語向けのモデルを手放すことになります。
どちらにするか迷っている場合は、KanaとAqua Voiceの比較ページで項目ごとに並べています。Aqua Voiceのほうが優れている点も書いています。