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Voice Typeレビュー2026: 買い切りのMac音声入力アプリ

Kana チーム
オレンジからピンクのグラデーションを背景にしたVoice Typeの宣伝用カード。Macos Voice Typing Appという文字の横に、総単語数と文字起こし時間を表示するMetrics画面のアプリウインドウが並んでいる
画像: Voice Type (carelesswhisper.app)

Voice Typeは、carelesswhisper.appがMac App Storeで販売している音声入力アプリです。Whisper系のモデルをそのMacの中だけで動かし、価格は$19.99の買い切り、Apple SiliconだけでなくIntel Macでも動きます。

私たちはKanaを作っていて、この対応機種の新しいほうの半分で競合しています。そのつもりで読んでください。

先に結論です。 Intel Macを使っている、モデルのサイズを自分で選びたい、App Store経由でサンドボックス内に収めたい、そのどれかに当てはまるならVoice Typeです。対応言語も100以上あり、Kanaの26を上回ります。Kanaが勝つのは、音声入力の費用と、APIキーなしで書き換えが使える点です。

まず、名前が紛らわしい話

ほとんど同じ名前の、まったく別の製品が2つあります。日本語の記事や検索結果では、どちらもカタカナで「ボイスタイプ」と書かれることがあり、英語圏よりさらに混ざります。

Voice Type はこの記事の対象で、carelesswhisper.appがMac App Storeで出しているアプリです。端末内で完結し、$19.99の買い切りです。

VoiceType AI はvoicetype.comにある別会社のクラウド製品で、複数のプラットフォームに対応しています。同社のサイトには毎分360単語、9倍速く書けるという記載があり、年払いプランで月$13と書かれています。データはプライベートクラウドのサーバーを通ります。

仕組みもプライバシーの立場も別です。同じアプリの説明にApp Storeの買い切り価格と月額サブスクリプションが両方出てくるレビューを見かけたら、書き手が2つを混同しています。以下はすべてApp Storeのほうの話です。

Voice Typeが実際にやること

ホットキーを押して話すと、フォーカスのある入力欄に文字が入ります。初期設定はOptionとSpaceで、変更できます。音声は完全に端末内にとどまり、ブラウザ、コードエディタ、フォームを含めmacOSのどこでも動く、と先方のサイトには書かれています。

アプリのウインドウは作業場所ではなく設定パネルです。サイドバーにMetrics、Custom Vocabulary、Recent Transcripts、File Transcriptionなどが並び、そこにFeed the Kittensという項目もあります。

取り上げておきたいのはCustom Vocabularyです。分野の用語、製品名、業界用語を登録できます。さらにFind and Replaceの層があり、文字起こしの最中に単語やフレーズを置き換えます。「open parenthesis」と話して記号を出すような、声で出す指示も含まれます。

Handles jargon and namesという見出しのVoice TypeのApp Storeスクリーンショット。その下にCustom Vocabularyの設定画面があり、Custom Wordsの入力欄とFind and Replaceのトグルが表示されている

出典: Voice Type (carelesswhisper.app)

AIによる書き換えも任意で使えますが、自分の鍵を用意する方式です。認証情報を自分で入れることになり、文字がMacの外へ出るのはこの経路だけです。

2026年の料金

Mac App Storeでの$19.99の買い切りで、その前に7日間の無料試用があります。サブスクリプションはなく、アップデートは含まれます。

No subscriptions, Pay once. Keep it.という見出しのVoice TypeのApp Storeスクリーンショット。その下にアプリのBilling画面があり、無料試用中というステータスが表示されている

出典: Voice Type (carelesswhisper.app)

固有名詞の登録がついた端末内の音声入力が一度$20で手に入るのは、それ自体としてよい買い物です。Kanaとの比較は歯切れが悪くなります。Kanaは音声入力に費用がかからず、Voice Typeは月額がかからないからです。どちらが安く見えるかは、AIによる書き換えも欲しいかどうかで決まります。

つまみはモデルのサイズ

Voice TypeはWhisper系のモデルを27 MBから550 MBまで用意していて、自分で選べます。小さいモデルは即座に返ってきて、名前をよく間違えます。大きいモデルは遅く、正確です。古いマシンでは、この選択が使えるアプリと使えないアプリの分かれ目になります。

Kanaにこの選択肢はありません。英語とその他の欧州系24言語はparakeet-tdt-0.6b-v3-coremlをNeural Engine上で、日本語はAppleのSpeechAnalyzerで処理します。言語ごとにモデルが1つ、Kanaが要求するハードウェアに合わせてあります。その要求が古いMacでは話のすべてで、Kanaはarm64専用、Intel版はなく今後も出ません。Voice TypeはmacOS Ventura以降のApple SiliconとIntel Macで動くので、2019年のMacBook Proでは選択肢が1つしかありません。

Voice TypeKana
Intel Mac対応 (Ventura以降)非対応 (Apple Silicon専用)
音声認識端末内、Whisper系端末内、ParakeetとSpeechAnalyzer
モデルのサイズ選択あり (27 MBから550 MB)なし
言語数100以上26
固有名詞の登録あり (置換機能つき)あり
音声入力の費用$19.99買い切り、7日間の試用$9.99買い切り、無制限
AIによる書き換え任意、自分のAPIキーが必要含まれる、キーの用意は不要
ファイルの文字起こしありあり (SRT・VTT・Markdown)
配布方法Mac App Store、サンドボックス直接ダウンロード

Voice TypeがKanaより優れている点

Intelで動きます。 これは小さな注記ではなく、道の分かれ目です。2018年から2020年ごろのMacはいまも現役で使われていて、Kanaはそのすべてを断ります。

言語が100以上あります。 Kanaは英語とその他の欧州系24言語、そして日本語です。Voice TypeはWhisperの言語一覧をそのまま引き継いでいます。

精度と速さの折り合いを自分で決められます。 27 MBのモデルと550 MBのモデルは別の道具で、場面ごとに選べるのはKanaにない機能です。

App Store経由でサンドボックス内に収まっています。 App Storeのアプリを優先する社内規定がある場合、直接ダウンロードのKanaでは並べません。

文字起こし中の検索と置換があります。 声による記号の指示と用語の自動置換が、文字が生成される最中に働きます。Kanaの固有名詞の登録はモデルが間違える名前を登録するだけで、これより狭い機能です。

Kanaが違うところ

Kanaは音声入力に費用がかからず、期限もありません。ファイルの文字起こしも本体価格に含まれ、SRT・VTT・Markdownで書き出せます。録音から字幕を取り出すのにプランの壁はありません。

AIによる書き換えはapi.getkana.appを経由します。APIキーを用意する必要はなく、バイナリにキーは入っていません。試用中は1台につき20回まで使えて、その先は月$4.90、年$49でMac3台までです。書き換えが失敗しても元の文字起こしがそのまま入るので、接続が悪くて失うのは体裁だけです。

アプリごとの振り分けがあるので、Slackの返信と取引先へのメールを、こちらで切り替えなくても別の書き換え方にできます。書き換えを行わない除外アプリも指定できます。

アプリ本体は2.4 MBで、ヘルパープロセスもログイン項目もなく、Dockにも出ません。音声モデルは約540MBの別ダウンロードなので、インストール後の容量はアプリ本体より大きくなります。

2つを比較検証していないので、精度や遅延の比較はここに書きません。どちらも端末内で動きます。

Intelの行も含めて並べたものは、KanaとVoice Typeの比較にあります。料金の詳細は料金ページにまとめています。

こんな人にはVoice Type

  • Intel Macを使っている
  • 欧州系の言語と日本語以外の言語で入力する
  • 待ち時間と引き換えにモデルのサイズを選びたい
  • Mac App Storeで購入したい
  • すでにAI事業者に支払っていて、自分の鍵を使いたい
  • 声による記号の指示と、用語の自動置換が欲しい

こんな人にはKana

  • Apple Siliconを使っていて、当面そこから動かない
  • $19.99ではなく、$9.99で済ませたい
  • APIキーを持たず、事業者に払わずにAIの書き換えを使いたい
  • ファイルを文字にして、SRT・VTT・Markdownを有料プランなしで書き出したい
  • Dockに出ず、管理するウインドウもないメニューバーのアプリがいい

よくある質問

Voice Typeはいくらですか

Mac App Storeでの$19.99の買い切りで、その前に7日間の無料試用があります。サブスクリプションはありません。

Voice TypeとVoiceType AIは同じものですか

違います。Voice Typeはcarelesswhisper.appが出している、端末内で完結するMac App Storeのアプリです。voicetype.comのVoiceType AIは月額のクラウド製品で、別会社の別物です。検索結果では名前が混ざりますが、中身に共通点はほとんどありません。

Voice Typeはオフラインで使えますか

使えます。音声認識はMacの中で動き、音声は完全に端末内にとどまると先方のサイトに書かれています。例外は任意の書き換え機能で、自分が鍵を登録した事業者へ文字を送ります。

Voice TypeはIntel Macで動きますか

動きます。先方のサイトには、macOS Ventura以降のApple SiliconとIntel Macで動作すると書かれています。Apple Silicon専用のKanaではなくVoice Typeを選ぶ理由として、これが一番はっきりしています。

どちらにするか迷っている場合は、KanaとVoice Typeの比較ページで項目ごとに並べています。Voice Typeのほうが優れている点も書いています。

最終更新: 2026年8月6日